劇場版HFでさほど詳しく解説されていなかったことの1つとして桜が間桐家に養子に出された理由、というものがあります。
Fate/Zeroのアニメを視聴されている方なら知っていることだとは思いますが解説していきたいと思います。
Fate/Zeroについて気になる方はU-NEXTで見放題で配信されていますので無料会員登録して30日以内にFate/Zeroを見るのもいいかと思います。
桜が養子に出された理由 その1 魔術刻印を受け継げるのは1人だけだから
型月世界の魔術師の家系はほぼ例外なく魔術刻印というものを受け継いでいきます。
魔術刻印とはその一族が初代から今までの歴代当主が受け継いできたの遺産です。
受け継ぐことで歴代全ての当主が得た知見、技術を一瞬で受け継げるものです。
遠坂家の場合初代の永人から凛、桜の父である時臣まで200年、5代分の当主の歳月の塊です。
後継者に選ばれなければただの一般人と変わらぬ生涯を送るのが常ですが桜は一般人にするには魔術の才能が突出しすぎていました。
その才能を惜しんだ、というのが一番の理由です。
桜が養子に出された理由 その2 桜の魔術属性が「虚」だったから
先ほど桜の魔術の才能が突出していたことを書きましたがその理由は魔術属性にあります。
魔術属性とは魔術師が持つ魔力の性質の分類です
若干暴論ですがポケモンの火属性、水属性みたいなものです。
属性には「火・水・土・風・空」のスタンダードな五大元素と「虚数・無」というレアな架空元素の合計7種類あります
ほとんどの魔術師は五大元素のいずれかの性質を有していますが中には複数の属性を持つ魔術師もいます。
例えばzeroに出てくるケイネス、切嗣は二つの属性を所持しています。
そして桜の姉である凛は五大元素全ての属性を持つ超企画外な存在「アベレージ・ワン」なのです。
そりゃ後継者に指名したくなりますよね。
さてそれで桜はというと架空元素の虚数の属性を持っています。
なぁんだ、1つだけか、なんて思わないでくださいね。
架空元素、という名前からもわかる通り、五大元素に比べて特徴がわかりづらくさらに属性を持っている人もほとんどいない超レア属性です。
以前のQ&Aで原作者のきのこ先生はもし時臣が桜を後継者に選んだらどうなったか、という質問に対して
「時臣の手に余って時計塔(ロンドンにある魔術師の総本山)に留学」
と答えてるくらい貴重かつ育成が難しい属性です
で、魔術協会が一般人になった桜を見つけたらどうなるでしょう?
「魔術の秘匿の為という名目で拉致されホルマリン漬けのサンプルになる」です。
魔術師というのは魔術の秘匿に対しては気を使うものの古い貴族思考の者が多く一般人の命など特になんとも思っていません。
ちなみに時臣自身も身内はともかくそれ以外の一般人についてはそういう思考を持っています。
(故に成長した凛が時臣のその性質を見たら毛嫌いするか受け入れて自分も冷徹な魔術師になるかの二択と言われています)
桜の将来のそういう危機をわかっていたからこそ時臣は間桐の養子としての話に乗ったのです。
時臣は歪んではいますがそれでも子供を産んで役割を果たした妻、葵のことを出産後も大事にする比較的家族愛のある人物です。
間桐の後継者として魔術の本道を歩める、そして凛と桜のどちらかが根源に至れたら、と彼の価値観で考えれば最もいい選択肢が桜を間桐の養子にすることだったのです。
桜が単なる間桐の魔術師復活の為の母体として生贄になるなんて思ってもいなかったでしょう。
もし知っていたら同盟破棄してでも桜を奪還しに向かったと思われます。
(ギャグシナリオとはいえ花札イベントでは夜な夜な桜を連れ出す雁夜を見て遠縁のエーデルフェルトに預ける、と言っています)
父、時臣の愛情が生んでしまった悲劇、それが桜の間桐家への養子入り
以上のようにあくまでも桜の養子入りは桜の将来を危惧したからこそ起きた出来事でした。
魔術師という性質上歪んではいますがそれでも彼なりに悩みながら選んだ道が落とし穴だったのは遠坂の血がなせることなのか、蟲爺が一枚上手だったからなのか
少なくとも桜は親から愛されていたことだけはたしかですね
コメント